パタヤといえば、海と夜の街のコントラストが魅力の観光地。日中はのんびりしたリゾート地の雰囲気なのに、夜になると一変して活気あるネオン街に変わります。その中心的な存在が「バービア(Beer Bar)」です。オープンスタイルのカウンターでビールを飲みながら、旅行者や地元の人々、そして働く女性たちとの会話を楽しむ場所。肩の力を抜いて飲めるのが魅力ですが、初めての人が戸惑うのが「料金トラブル」や「ぼったくり問題」です。

実際、パタヤ初心者の中には「知らない間に高額請求された」「レディドリンクの値段が思ったより高かった」といった体験をしてしまう人も少なくありません。とはいえ、バービアすべてが悪質というわけではなく、正しく知っておけばトラブルを避けて楽しい夜を過ごせます。この記事では、実際に起きやすいぼったくりのパターンや、旅行者が気をつけるべきポイント、安心して楽しむためのコツを詳しく紹介します。


バービアとはどんな場所?

バービアは、パタヤの至るところにあるオープンエアの小さなバーです。バービア街と呼ばれるエリアには、10軒、20軒とずらりと並び、それぞれ音楽や照明、スタッフの雰囲気も違います。カクテルやビールが手頃な価格で楽しめ、軽食を出すお店も多いです。カウンターに座って飲むと、店の女性スタッフが話しかけてきたり、ビリヤードで一緒に遊ぼうと誘われたりします。

旅行者にとっては「異国の夜を体験できる」楽しい空間ですが、同時にお金のやり取りが多く発生する場所でもあります。そのため、少し油断すると不要なトラブルに巻き込まれることもあるのです。


よくあるぼったくり・トラブルの実例

まず知っておきたいのは、どんな形で「ぼったくり」が起こるのか。以下のようなケースがよく報告されています。

1. レディドリンクの過剰請求
スタッフの女性が「ドリンク奢って」と言ってくるのはバービアの文化ですが、これを断れないまま次々と奢ってしまい、気づけば数千バーツに…というのはよくある話です。中には「勝手に飲んでいた」「複数人分が加算されていた」なんてこともあります。

2. 飲んでいない分の追加請求
ビールを3本しか飲んでいないのに、伝票には5本分の記載。旅行者が酔っていたり、伝票を細かく確認しないのを狙って上乗せしてくるケースです。これも小額のようで積み重なると痛い出費になります。

3. レディとの誤解トラブル
バービアでは気が合えば女性を店外に連れ出す「バー・ファイン」という文化もありますが、これには店への支払いが発生します。料金の確認をせずに進めると「そんな約束してない」と後で揉めることも。相手が悪質な場合は、警察をチラつかせて金銭を要求してくるケースもあります。

4. チップの押し売り
会計後に「チップちょうだい」と強く言われることも。もちろん気持ちとして少額を渡すのは良いですが、「100バーツで足りない」「もっと」と言われたら毅然と断りましょう。


トラブルを防ぐための基本ルール

パタヤのバービアでぼったくりを避けるために一番大事なのは、「最初のコミュニケーション」と「自分のペースを守ること」です。

・注文時に値段を確認する
初めて入る店では、まずメニューを見せてもらい、ビールやレディドリンクの価格を確認しましょう。表記がない場合はその時点で少し注意です。「How much for beer?」「Lady drink price?」と聞くだけで、相手に“わかっている客”という印象を与えられます。

・ドリンクは都度確認
女性スタッフが自分の隣に座っても、勝手にドリンクを頼まないようにするのが基本。奢るときは「one drink only」とはっきり伝えるのがおすすめ。曖昧な態度をとると、後で「あとで何杯か飲んでおいた」と言われることもあります。

・伝票(ビル)を常にチェックする
バービアでは、注文ごとに伝票がカウンター上のコップやクリップに挟まれています。そこに追加される形なので、時々チェックしておくと安心です。もし不審な項目があればすぐに「I didn’t order this(これは頼んでいない)」と伝えましょう。

・お金は一括で支払う
都度現金を出すよりも、最後にまとめて支払う方が安全です。細かい支払いを繰り返すと、相手が計算を操作しやすくなるためです。支払い時には必ずレシートを見て、金額と品数を確認しましょう。


現地で役立つマナーと立ち回り方

パタヤのバービアは、実は“マナーを守ればすごく居心地のいい場所”です。
常連客はスタッフとも仲が良く、旅行者でも少しルールを知っていれば歓迎されます。

まず、店の女性たちは「楽しい会話」を仕事にしています。酔って絡んだり、強引に触れたりすると、一気にトラブルになります。そうした場合、スタッフが怒るだけでなく、周囲の男性客や警備員に取り押さえられることもあります。日本の居酒屋感覚で距離を詰めるのはNGです。

また、タイはチップ文化がありますが、基本は「気持ち程度」。
会計時に50〜100バーツ渡せば十分で、無理に多く渡す必要はありません。むしろ最初から太っ腹な金額を渡してしまうと、次から「この人はお金を出してくれる」とマークされてしまいます。


安心して楽しめるエリアの選び方

パタヤ中心部のバービア街といえば、「セカンドロード沿い」「ソイ6」「ソイ7」「ソイ8」、そしてジョムティエンエリアなどがあります。それぞれ雰囲気や価格帯が異なります。

ソイ6は刺激的な雰囲気で、短時間で賑わいたい人向け。
ソイ7・8は旅行者が多く、比較的明るい雰囲気で初心者にもおすすめ。
ジョムティエンソイ・ブッカオ周辺は、在住外国人が集う落ち着いたエリアで、長く滞在する人にはこちらが人気です。

どのエリアでも共通して言えるのは、「人が多い店を選ぶ」こと。客が入っていない店や、スタッフが強引に呼び込みをしている店は避けた方が無難です。人の出入りが多い店ほど評判が良く、トラブルも少ない傾向があります。


管理人の一言

パタヤの夜は“距離感”を楽しむ場所

パタヤのバービア文化は、タイの中でも独特です。日本のキャバクラのような接客とは違い、もっとカジュアルで、フレンドリーで、時に人間味があります。お互いが適度な距離感を保ちながら、ビール片手に笑い合う。これこそが、パタヤらしい夜の楽しみ方です。

ぼったくりを完全に避けるコツは、「相手任せにしないこと」と「その場で確認すること」。最初は少し緊張するかもしれませんが、ルールを守れば怖いことはありません。むしろ、ローカルな空気を味わえる最高の場所になるはずです。